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Cafe FUJINUMA

New Standart from OYAMA.
ローカルをもっと面白くする、まちづくりの中心になるカフェ


栃木県、JR小山駅西口の程近く、どこにでもあるローカル都市の駅前で2013年に創業したCafe FUJINUMA。現在は栃木県に関連店舗を含めて10店舗にまで及び、市内を回れば印象的な赤い色のロゴが見ることができる。

時間によって異なる印象を与える店内では、10年間変わらぬ母の味を大切にしたドライカレーを提供し、夜はアルコールを提供するバーと、コーヒーだけではない地域に根付くカフェとして人気を誇る。そんなCafe FUJINUMAの創業者である藤沼さんに話を伺った。※文中敬称略


従兄弟との死別が人生を変えた


藤沼が店を開くきっかけとなったのは、兄のように慕っていた三つ年上の従兄弟の死だった。22歳の頃に不慮の事故で当時25歳の若さで亡くなった。彼の葬儀の際に強く感じたのは「親より先に死ぬのはこんなに残酷なんだということ」だった。彼の両親をはじめ、周囲の大人たちが泣き崩れる姿を見て、胸が締め付けられるような思いがしたと当時を振り返る。そして生きているうちに親孝行をしたいという想いから、「夫と店を開きたい」という母の長年の夢を叶えるために地元に戻り、カフェを開いた。

カフェを開業したものの、しばらくすると母親は介護のために店を続けることが難しくなり、今のCafe FUJINUMAは藤沼がやりたい店に変わっていくのだが、母親のドライカレーは10年経った今でも変わらぬレシピで提供し続けている。
ロゴには三つの山とその下に沼があるアイコニックなものだが、この三つの重なる山は、父と母、そして藤沼自身を表し、今でも当時の心が受け継がれている。


小山らしさを作る、ブランドに込めた地元への想い


10年前の創業時、この小山のダサいというイメージを変えたいと思ったという。いわゆる地方都市、ベッドタウン。よくあるチェーン店が国道沿いに並び、車がメインの移動手段として、車さえあれば生活には困らないという小山という街に、アイデンディティが必要だと感じた。

東京に出てしまう若者が多い中、小山に残った若者たちのためにも自身の地元小山にアイデンティティを持ってくれて、自分もここで店をやりたいと思ってもらえるような街にしたいという理想を掲げている。
今もその想いは変わらず、地域を盛り上げる活動には積極的に協力し、10年という時を経て、母の夢であった店は、小山のアイデンティティに姿を変えた。

個性を残した店づくり、個性を引き出したロースト


フジローヤルの半熱風3kgで焙煎するコーヒーは、個性的なフレーバーを感じつつも、酸味は穏やかで甘味を感じる浅煎りが人気だ。
店作りで参考にしたのは東京・FUGLEN。浅煎りといえど、しっかり豆の個性がなくならない程度には火を入れている。尖っている部分は尖っているが、どこか落ち着きのある、まさにローカルの暖かさを感じるコーヒー。

藤沼が言う「このコーヒーを飲むことが、小山に来るきっかけになってほしい」という願いを示すかのような、焙煎師のアイデンティティと小山の魅力を感じる優しい味わいを、是非ご自宅で体感してください。

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