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MEGANE COFFEE

ゆっくりと、そして長く続ける。
世田谷の街で愛されるメガネ店主


東京世田谷区に位置する街、桜上水。
東京屈指の閑静な住宅街に小さな店を構えるコーヒーショップ「MEGANE COFFEE」。
この街で愛されるアイコニックなメガネの店主竹曰さんに話を伺った。※文中敬称略

時間を忘れさせる魅惑の空間


MEGANE COFFEEの特徴は、竹曰のキャラクターである。
時間を忘れさせる不思議な空間に引き込まれる。

「スペシャルティコーヒー」という言葉が流行る以前2005年、コーヒーが持つ可能性に憧れをもった当時20歳の竹曰。

「当時はアパレル業界を目指していましたが、中々就職活動がうまくいきませんでした。」

コーヒーのキャリアを歩む以前は服飾の道を志していた。しかし、就職活動で立ち止まり、若き日の竹曰は人生とキャリアについて改めて向き合った。

「そこにあったのがコーヒーでした。」竹曰は、昔から日本の喫茶店文化やイタリアのバール文化に興味があり、コーヒーを中心に取り巻くものに魅力を感じていた。そこに深い理由はなく、ただ魅力的な世界に写ったのだ。

そうして2005年、かっこよさや憧れを抱き、直感的にコーヒー業界へ飛びんだ。
初めはシアトルから日本に上陸したZOKA coffeeに入社した。

「入社後当時まだ情報が全く無かったスペシャルティコーヒーを必死に学びました。今ほどお店や情報がない時代でしたが、それがかえって私を深みに引き込みました。」

1歩1歩着実に。駆け上がるバリスタキャリア


この頃から竹曰はバリスタ競技会への挑戦も始める。

「出られる競技会は全て挑戦しました。JBC、ラテアート、JSIGSなど色々な大会に挑戦し、バリスタスキルを磨き、ジャパンラテアートチャンピオンシップ(通称JLAC)で全国3位に入賞しました。」

今ほどリソースがなかった時代に、何もない状態から成り上がりを果たした竹曰は、カフェ関係の専門学校から声がかかるようになり、コーヒーを教える講師として活動を初めた。
また、東京のスペシャルティコーヒーの先駆者的なブランド「Swich Coffee Roasters」の立ち上げに携わる。この時、0から1を作ることを経験し、自分のブランドを持つことを決意した。

そして2015年、世田谷区桜上水で自身のブランドMEGANE COFFEEを立ち上げた。

MEGANE COFFEEは、地域に根付いた温かい雰囲気を持つロースターである。入り口から中へ入ると長いカウンターと真っ青で清潔感を感じる青い壁紙、そしてトレードマークのメガネをかけたオーナーの姿が印象に残る。

「個性を出しつつもマイルドな味わいのコーヒー」。

9年間お店を続け、常連に愛されたコーヒーの味は、1kg釜の焙煎機で丁寧に焼いたコーヒーは、自身の店に長年通っていただく常連客の好みを生かしたものだ。

コーヒーを中心に回る食文化に興味を持って。


元々製菓学校に通っていた経験から、今でもその腕前を生かして作られるサンドイッチは店の看板メニューの一つ。さらには、Japan Coffee in Good Spiritsでの入賞経験もあり、コーヒーとそれを取り巻く「食」が店作りにも生かされている。メガネコーヒーらしさの一つとして、いつまでも長居してしまいそうになる、時間を忘れさせるゆったりとした雰囲気がこの店にはあるのだろう。

「コーヒー版町の八百屋さん」と自身が表現し、コーヒーの味作りはお客様ファーストに考え抜かれたマイルドな味わいを大切にしているという。そういった日常の中で長く親しまれるロースターを目指し、日々温かいコーヒーを大事にしている。

「お店を広げていきたいとは思っていません。このままずっと小規模で、クオリティや自分の考え方を振らさないように、長く緩く商売を続けていきます。それが私なりのクラフトマンシップです。」

最後まで優しい物腰で想いを語る竹曰。
どこまでもリラックスできる、心が落ち着く優しくマイルドなMEGANE COFFEEの世界観を是非試してみてはいかがだろうか。

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